鍼(ハリ)と呼ばれる専用の治療具を用い、全身の体にある365穴(ツボ)に、微動的(リズミカル)な刺激を与えるのがはり治療です。艾(もぐさ)などを用い、温熱によってツボを刺激するのがきゅう(おきゅう)治療です。
鍼は刺すから、こわい、痛い、というイメージがありますが、毛髪程の細い鍼を使い痛くない治療に心がけております。また、現在は使い捨て鍼が普及しておりますので、衛生面でも安心して治療が受けられます。
おきゅうは、艾(もぐさ)を使用してツボの上などで燃やして治療するため、熱い、痕が残ると不安をもたれますが、米粒大か半粒大くらいの艾を用いますので、大きな痕が残ることはありません。また、直接皮膚に艾を乗せず、皮膚の上に生姜やニンニクなどを乗せ、艾を焼く治療法(間接灸)もあります。
「はり」や「おきゅう」は、人がもとより持っている自然治癒能力を高める働きをします。
身体の中で細菌を抑える白血球は、「はり」や「おきゅう」によって、その働きが活発になり、心臓は力強く拍動し、ホルモンのバランスが改善され、血液は弱アルカリ性に傾いて、身体の内部環境が良い方向に調節して、症状の改善効果を上げると言われております。
ツボに圧迫刺激を加える「指圧」や筋肉を引っ張ったり、揉んだりする「マッサージ」治療は、すべて健康を増進し、病気の治療及び予防をするうえで、効果の大きい物理療法と言われております。
あん摩(按摩)の按は「おさえる」、摩は「なでる」を意味しており、経路の気血の変調を調整する手技療法で、衣服の上から体の中心から手足に向かって施術する治療です。
マッサージは「おす」「こねる」を意味しており、オイルやパウダーを用いて、手足から体の中心に向かって皮膚を直接刺激する治療です。
指圧は衣服の上から、指や手のひらなどを用いてツボを押し、体の変調を矯正する治療です。
「あん摩・マッサージ・指圧」は、手技療法と呼ばれ、その名のとおりこれこそ手当です。
人の手のひらは不思議な力をもっています。患部に手を当てただけで痛みが和らぐのは、手のひらの刺激によって「エンドルフィン」や「遠赤外線」などの鎮痛効果を持つ物質が出て、症状の改善効果を上げると言われております。